
チェーンリンクがアブダビADGMと提携、伝統金融とブロックチェーン接続へ

アブダビの金融フリーゾーンであるアブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)が、ブロックチェーンの主要プロジェクトであるチェーンリンクと提携し、トークン化フレームワーク構築に向けた覚書(MoU)を締結した。
これにより、ADGMはチェーンリンクのデータフィードや相互運用技術を活用し、伝統的な金融とブロックチェーンを結びつける計画である。
ADGMの動きが地域経済に与える影響
この提携により、ADGMは金融サービス分野における技術革新をさらに推進することになる。同金融フリーゾーンは、2024年末時点で134の資産・ファンドマネージャーが166のファンドを運用し、275の金融機関が進出。
ブラックロック、PGIM、モルガン・スタンレーなど、世界的な金融大手もADGMに拠点を構えており、今回の提携はこうした国際金融機関のブロックチェーン活用にも弾みをつけると見られる。
なぜADGMはチェーンリンクと提携したのか
ADGMは、ブロックチェーンや人工知能(AI)などの新興技術が金融市場に与える影響を重視しており、地域における技術活用の促進を目指している。その一環として、チェーンリンクとの提携により、トークン化やデータの相互運用を通じて、次世代の金融サービスモデルを構築する方針である。
UAEで加速する暗号資産の普及
UAEでは暗号資産の普及が急速に進んでいる。2024年には、暗号資産アプリのダウンロード数が前年比41%増加し、ヘンリー・クリプト普及指数でも28カ国中3位にランクイン。
アブダビでは、ADGM金融サービス規制庁がテザー(USDT)を公認バーチャル資産に認定し、バイナンスにはアブダビ拠点の投資会社MGXが20億ドルを出資するなど、大型案件が相次いでいる。
さらに、ドバイもUSDCとEURCを公認ステーブルコインとして承認するなど、UAE全体で暗号資産市場の成長が加速している。
GENAIの見解

ADGMのような国際的な金融ハブが、チェーンリンクというブロックチェーンのインフラを提供する企業と提携することで、トークン化やデータの相互運用といった分野が一気に加速すると感じました。
また、UAE自体がここ数年で急速に暗号資産市場への取り組みを強化している中で、こうした提携は国全体のイノベーションや資金流入にもつながると思います。チェーンリンクの技術はDeFi(分散型金融)などでも既に実績がありますので、今後ADGMがどのようにこの技術を取り入れていくのか注目したいところです。
さらに、政府機関や大手金融機関がブロックチェーン領域で積極的に動くことは、業界全体にとっても信頼感を生む良いニュースだと感じます。