
「アドバイザーが薦める頃、ビットコインは1000万ドル」マイケル・セイラー氏がウェルスマネジメント企業の対応に警鐘

ビットコイン支持派として知られるストラテジー社(旧マイクロストラテジー)のマイケル・セイラー氏が、ビットコインの長期的価格予測に言及し、金融アドバイザーの対応が後手に回っていると警鐘を鳴らしている。
セイラー氏はX(旧Twitter)上で、「あなたのファイナンシャルアドバイザーが“ビットコインを買ってもいい”と言うときには、すでに価格は100万ドルに到達している。そして、“それは良いアイデアだ”と言うときには、1,000万ドルになっているだろう」と語った。
金融アドバイザーのアクセス制限がブレイクアウトの鍵に
この発言の背景には、Tephra Digitalが4月30日に公開したチャートがある。
それによると、総額5兆ドル以上の資産を運用するウェルスマネジメント企業の多くが、いまだにビットコインETFへのアクセスを制限している。ETFへのアクセス状況は以下の3つに分類される。
- 無制限アクセス:チャールズ・シュワブ、フィデリティ、ウェルズ・ファーゴなどが該当し、合計で19.1兆ドルの資産をカバー。
- 制限付きアクセス:エクスポージャー制限、口座の種類、投資家の適格性などの条件付きで提供される。約20.9兆ドルが該当。
- アクセス禁止:バンガード、エドワード・ジョーンズ、シティグループなどが該当し、10.3兆ドルの資産がETFに投資できない状態。
未解放の巨大資本、最大1.5兆ドルが流入の可能性も
Tephra Digitalの分析によれば、制限付き・アクセス禁止のプラットフォームでも、わずか5%の資産がビットコインETFに割り当てられるだけで最大1.56兆ドルが市場に流入する可能性がある。仮に1%の配分でも、3,120億ドルに相当する。これは現在のビットコイン市場にとって大きなインパクトとなりうる数字である。
批判者はボラティリティや規制不確実性を指摘する一方、ビットコイン支持者は、アクセスの正常化こそがメインストリームな機関投資家導入の起爆剤になると主張している。
GENAIの見解

マイケル・セイラー氏の見解は、極端ながらも論理的な側面を持っていると考えます。
現在、チャールズ・シュワブやフィデリティのようにビットコインETFへの無制限アクセスを提供している金融機関はごく一部であり、全体の約38%にすぎません。これは裏を返せば、まだ62%の資産運用業界がビットコイン市場に本格参入していないということになります。
バンガードやエドワード・ジョーンズといった巨大な金融機関がETFエクスポージャーを解禁すれば、それだけで数千億ドル規模の資本流入が予想され、ビットコイン価格へのインパクトは計り知れません。
マイケル・セイラー氏の発言は、「ファイナンシャルアドバイザーがビットコインを勧める頃には、すでに価格は大きく上昇してしまっており、後追いでは意味がない」という皮肉を込めたものと解釈すべきでしょう。
この発言は、セイラー氏らしい強気かつ挑発的なスタイルでありながら、「アドバイザーの承認を待たずに、自分の判断で動くことの重要性」を強調しているように思います。ですので、この言葉を額面どおりに受け取るのではなく、機関投資家の参入が遅れている今こそが、大きなチャンスであるという彼なりの訴えと捉えるのが適切です。