
セカンドレイヤーとは?仕組みやメリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説

プロトレーダー Trader Zのイチ押しポイント!
- セカンドレイヤーは主要なブロックチェーンの上に二層目として構築されるネットワーク
- 利用者の増加に伴う処理速度の低下やガス代(手数料)の高騰を減らすための技術
- 取引速度などの性能を高くした分レイヤー1よりセキュリティリスクが高い
- レイヤー2プロジェクトとしてライトニングネットワークやOptimistic Rollupsが台頭
- Optimism上ではガス代が従来の数十分の一以下になり取引の確定もほぼ瞬時に行われる
- ライトニングネットワークは稲妻のように素早い送金の実現を目指すレイヤー2技術
- おすすめセカンドレイヤー仮想通貨銘柄2選
- POL:イーサリアム上に構築された代表的なレイヤー2ネットワーク
- OP:イーサリアムのスケーラビリティを向上させるためのレイヤー2プロジェクト

セカンドレイヤーとはビットコインやイーサリアムなど既存のブロックチェーン(レイヤー1とも呼びます)の上に追加で構築されるネットワークのことで、簡単に言えば、今あるブロックチェーンの土台(レイヤー1)の「外側」に作られた第二の取引の層を指します。
たとえるなら、ブロックチェーン本体(レイヤー1)が幹線道路だとすれば、セカンドレイヤーは側道や高速の分岐レーンのようなイメージです。



セカンドレイヤー(レイヤー2)技術は暗号資産が抱えるスケーラビリティ問題を解決するソリューションとして大きな役割を果たしています。
ブロックチェーンの基本機能はそのままに、「たくさんの利用者が同時に使っても遅れない・高額な手数料を払わなくて済む」という環境を実現できれば、暗号資産はさらに実用的になります。


Trader Z
ディーリングアドバイザー
世界第3位の仮想通貨取引所であるMEXCのトレーダーランキングにおいて、常に上位にランキングされる世界有数のトレーダー。
2024年10月には1,229,864,919.71USDT(日本円に換算して 1920 億円)の取引を行い、第1位となる。2024年12月にGFA Capital社が行う暗号資産ディーリング業務のアドバイザーに就任。


監修 Trader Z
ディーリングアドバイザー
世界第3位の仮想通貨取引所であるMEXCのトレーダーランキングにおいて、常に上位にランキングされる世界有数のトレーダー。
2024年10月には1,229,864,919.71USDT(日本円に換算して 1920 億円)の取引を行い、第1位となる。2024年12月にGFA Capital社が行う暗号資産ディーリング業務のアドバイザーに就任。
セカンドレイヤーとは何か
セカンドレイヤー(Layer2)とは、既存のブロックチェーン(レイヤー1とも呼びます)の上に追加で構築されるネットワークのことです。
簡単に言えば、今あるブロックチェーンの土台(レイヤー1)の「外側」に作られた第二の取引の層を指します。
レイヤー1がビットコインやイーサリアムといったメインのブロックチェーンそのものを意味するのに対し、セカンドレイヤーはそのメインチェーンを拡張する役割を持つ追加のネットワークです。
このセカンドレイヤー上で取引データを処理し、必要に応じて要約された結果だけをメインチェーン(レイヤー1)に記録することで、ブロックチェーン全体の効率を高めることができます。
セカンドレイヤーのメリット(利点)
メリット① スケーラビリティの向上による取引量アップ
最大のメリットは、ブロックチェーン全体のスケーラビリティ(拡張性)が向上することです。
先ほど述べたように、従来のレイヤー1には処理性能の限界があり、需要に追いつかなくなるとネットワークが混雑していました。
セカンドレイヤー技術を活用すれば、レイヤー1の機能を拡張し大幅に処理能力を引き上げることができます。
つまり、一秒間に処理できる取引の件数(TPS)を増やし、たくさんのユーザーが同時に利用しても詰まらないネットワークを作れるのです。
結果として、ブロックチェーンは今後も社会の需要を十分にカバーしながら成長していくことが可能になると期待されています
メリット② 手数料の大幅低減
スケーラビリティが向上することに伴い、取引手数料が安くなる点も大きな利点です。
ブロックチェーンの処理能力が不足していると需要に対して供給が追いつかず、手数料が高騰する傾向にあります。
逆に言えば、セカンドレイヤーによって処理能力に余裕が生まれれば、ネットワーク利用の混雑が緩和され手数料は低下する傾向を示します。
実際、セカンドレイヤー上で取引を行うと、従来よりもはるかに低コストで送金や決済が可能になるケースが多いです。
これにより、たとえば少額の送金(マイクロペイメント)や、手数料負担に敏感な新興国のユーザーでも、気軽に仮想通貨を利用しやすくなるでしょう。
低コスト化は暗号資産の普及において非常に重要なポイントです。いやすくなります。
メリット③ トランザクションの高速化
セカンドレイヤーは取引の処理速度を飛躍的に向上させることもできます。
ビットコインやイーサリアムなどレイヤー1のブロックチェーンでは、設計上どうしても取引の確定(承認)に数分〜数十分程度の時間がかかるのが一般的です。
例えばビットコインなら10分程度、イーサリアムでも混雑時には数分以上待つことが珍しくありません。
しかし、セカンドレイヤー上では数秒で取引が完了することも可能です。
現に、高速化を実現したレイヤー2技術を使えば、ほぼリアルタイムに近い送金を体験できます。
これにより、即時決済が求められるユースケース(例えば店頭での支払い、瞬時の取引が必要な金融アプリなど)でも暗号資産をスムーズに活用できるようになります。
遅延が減ることでユーザービリティ(使い勝手)が格段に向上するのは明らかでしょう。
メリット④ 新機能の追加・クロスチェーンの可能性
セカンドレイヤーはブロックチェーン本体に手を加えずに新しい機能を試せる場にもなります。
メインチェーンのルール変更を伴わず、外側に別の仕組みを設けられるため、スマートコントラクトなどメインチェーンにない機能をセカンドレイヤー上で実現するといった柔軟な応用が可能です。
また将来的には、異なるブロックチェーン同士を直接つなぐクロスチェーンの実現にも寄与し得ると考えられています。
例えば、仲介者を介さずにビットコインとライトコインを直接交換するアトミックスワップ技術などが研究されており、セカンドレイヤーを用いてこうしたブロックチェーン間の相互運用を図る取り組みも進められています。
つまり、セカンドレイヤーは速さや安さだけでなく、ブロックチェーンの新たな可能性を広げる土台としても期待できるのです。
セカンドレイヤーのデメリット(課題)
デメリット① セキュリティ低下のリスク
セキュリティ面のリスクは無視できません。
セカンドレイヤーの中には、メインチェーンとは異なる独自のセキュリティモデルを採用しているものもあります。
その場合、メインチェーンでは存在しなかった脆弱性が発生する可能性があり、レイヤー2を導入することで新たな攻撃リスクにさらされる懸念があります。
実際、セカンドレイヤーは一時的にブロックチェーン本体から離れた場所でネットワークを形成するため、その途中のやりとりが攻撃に晒されやすくなるとの指摘があります。
ブロックチェーン自体は全ノードで取引記録を共有・検証することで強固なセキュリティを保っていますが、セカンドレイヤー上では必ずしも全員が取引をチェックするわけではないため、不正を防ぐ仕組みが弱くなる可能性があるのです。
デメリット② システムが複雑になり利用ハードルが上がる
セカンドレイヤーを追加することで、全体の仕組みが複雑化する点もデメリットです。
ブロックチェーンは元々レイヤー1だけで完結していたものを、もう一層増やすわけですから、開発・運用の面でも考慮すべき点が増えます。
レイヤー2上でのトラブルがレイヤー1に影響しないか確認したり、両者の接続部分(インターフェース)を安全に保つための実装が必要です。また、ユーザー側から見ても、利用手順が増えるケースがあります。
例えばセカンドレイヤーを使うには、一度メインチェーンから資産を移動させる必要があるなど、従来より手順が増えてしまう場面もあるのです。
単にレイヤー1上で完結していたときと比較して、この点がユーザーにとって不便に感じられる可能性は否めません。
セカンドレイヤーの主な種類・事例
ビットコインのライトニングネットワーク
ライトニングネットワーク(Lightning Network)は、ビットコインにおける代表的なセカンドレイヤー技術です。その名のとおり「稲妻」のように素早い送金を実現することを目指して開発されました。
ライトニングネットワークは、ビットコインのスケーラビリティ問題を解決すると同時に、マイクロペイメント(小額決済)を可能にするために考案された仕組みです。
ビットコインのブロックチェーン上に「ペイメントチャネル」と呼ばれる専用の通り道を開設し、そのチャネル内で双方向に何度でも高速・低コストな取引を行える仕組みです。
チャネル内の取引は即時に近い速度で実行され、手数料もごくわずかです。
チャネルでのやりとりを終えたら、最後にチャネルを閉じて累計残高だけをビットコインのブロックチェーンに記録するため、たとえ何百回という小口送金でもオンチェーン上ではごく少数のトランザクションで済みます。
イーサリアムのライデンネットワーク
ライデンネットワーク(Raiden Network)は、イーサリアム版のライトニングネットワークとも言えるセカンドレイヤーです。
イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する可能性を持つプロジェクトで、基本的な仕組みはビットコインのライトニングネットワークと同様にペイメントチャネル型です。
イーサリアム上で少額かつ高速な支払いを実現するために開発が進められてきました。
しかし、ライトニングネットワークとの大きな違いとして独自トークンの存在が挙げられます。
ライデンネットワークではRDNという独自のトークンを発行しており、ネットワーク内の手数料支払いなどに使用します。この点が議論を呼び、イーサリアムの開発者から批判を受けた経緯があります。
イーサリアムのロールアップ(Arbitrum、Optimismなど)
近年、イーサリアムのセカンドレイヤーで特に脚光を浴びているのがロールアップ(Rollup)と呼ばれる技術です。
ロールアップはオフチェーンで複数のトランザクションを処理し、その結果だけを要約してレイヤー1に投稿するイメージで、イーサリアムのセキュリティを活用しつつスケーラビリティを高めるアプローチです。
代表的なロールアップとしては、Arbitrum(アービトラム)やOptimism(オプティミズム)が挙げられます。
これらはオプティミスティック・ロールアップという方式を採用しており、オフチェーンの計算結果を一旦信頼し、誤りがあれば後から是正する仕組みによって、不正を防ぎつつ高速・低コストな取引処理を実現しています。
実際、ArbitrumやOptimism上ではガス代(取引手数料)が従来の数十分の一以下になり、取引の確定もほぼ瞬時に行われます。
現在、これらのネットワーク上で動く分散型金融(DeFi)アプリやNFTマーケットなども多数登場しており、イーサリアム利用者の混雑緩和に大きく貢献しています
サイドチェーン(Polygonなど)
サイドチェーンとは、メインのブロックチェーンと並行して動作する独立型のブロックチェーンです。
セカンドレイヤーの一種と捉えられることもありますが、正確にはメインチェーンの機能拡張というより連携する別チェーンという位置づけになります。
代表的なサイドチェーンとしてはPolygon(ポリゴン)が有名です。
独自トークンであるMATICは日本国内の仮想通貨取引所にも上場しているため、目にしたことがある方も多いでしょう。
Polygonはイーサリアムのレイヤー2的役割を果たすネットワークとして長い歴史を持ち、プラズマ技術を用いたPolygon POSチェーンのほか、ZKロールアップ技術を採用したPolygon zkEVMなど複数のレイヤー2チェーンを運営しています。
結果として、Polygonネットワーク上ではイーサリアムに比べ桁違いに安い手数料でトークンスワップやNFT取引が行われ、イーサリアム利用者の受け皿となっています。
セカンドレイヤーに関するよくある質問
Q: レイヤー1とレイヤー2の違いは何ですか?
レイヤー1とは、ビットコインやイーサリアムのようなブロックチェーンそのもの、つまり基盤となるメインネットワークのことです。
一方、レイヤー2とは、そのレイヤー1の上に構築される第二のネットワーク層を指します。
レイヤー2はレイヤー1のブロックチェーンに接続・依存しながら動作し、スケーラビリティ(処理速度や容量)の向上を図ることができます。
Q: レイヤー2とサイドチェーンの違いは何ですか?
いずれもブロックチェーンの処理能力を高めるための技術という点は共通していますが、両者の違いはメインチェーン(レイヤー1)との関係にあります。
レイヤー2は先述の通りレイヤー1上に構築され、レイヤー1のセキュリティを利用します。それに対してサイドチェーンは、レイヤー1とは独立した別のブロックチェーンです。
サイドチェーンは独自の合意形成(コンセンサス)アルゴリズムを持ち、メインチェーンとはブリッジなどで連携しますが、基本的にはメインチェーンのセキュリティから独立している点が異なります。
セカンドレイヤーのまとめ
- セカンドレイヤーを導入することで、レイヤー1ブロックチェーンの処理性能を大幅に向上させることができます。
- セカンドレイヤーはブロックチェーン技術の進化を支える重要な存在であり、今後さらに多くの活用例が生まれてくるでしょう。
- セカンドレイヤーはレイヤー1に依存して動くため、基盤となるチェーンの影響を受けやすい側面も持ち合わせています。
- 仮想通貨の購入を検討している方は、初心者でも使いやすいCoincheck(コインチェック)**などの国内取引所を活用すると良いでしょう。
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