
仮想通貨TONコイン(Toncoin)とは?将来性、取引所での買い方をチャート付きでわかりやすく解説!

プロトレーダー Trader Zのイチ押しポイント!
- Telegram(月間アクティブユーザー数世界2位のメッセージアプリ)の開発プロジェクトとして始動
- レイヤー1(L1)のブロックチェーンとして機能し、独自のスマートコントラクトやdAppを展開できる
- TON(The Open Network)はToncoin(トンコイン)のガバナンストークンである
- 2020年にSECとの問題によって一度は頓挫したものの、コミュニティ主導で再始動した経緯
- 独自の高速処理技術(シャーディングなど)やPoSを採用しており、スケーラビリティが高い
- PoS(Proof of Stake)コンセンサスを採用しており、エネルギー効率が高いとされる
- Telegramを介した決済やコミュニケーションに特化したユースケースが目立つ
- VCの出資によって開発資金が潤沢に確保されている
- ロードマップによるとTelegram上で動作するdAppが増えるほどToncoinへの需要が高まる可能性
- イーサリアムやソラナなどと同じく、スマートコントラクトやdAppの展開を可能にする

Toncoin/TONは世界最大級のメッセージングアプリ「Telegram」が、分散型金融×AI時代のOSを狙って立ち上げたプラットフォームとして注目を集めました。
Telegramにおけるユーザーベース、アクティブ率、特に東欧~中東~東南アジアのハイリテラシー層においては、LINEどころじゃない影響力を持っていて、実際に2025年3月の月間アクティブユーザー数では10億人を超えています。



そして、2025年にはTONウォレットがTelegramにデフォルト搭載されたことで、マスアダプションがググっと近づいています。
TONはシャーディング構造・スピード・スケーラビリティ、いわゆるSolana級の処理能力を持ちながら、スマートコントラクト、NFT、DeFi、DIDを一通り揃え、Telegramのエコシステムと統合することで「メッセージングから即決済、即アセット化」を可能にします。
Toncoin/TONはこの先「SNS×ブロックチェーン」の大本命として大成し「Telegram=Web3のOS」となることができるのか、一緒に動向を見守っていきましょう。


Trader Z
ディーリングアドバイザー
世界第3位の仮想通貨取引所であるMEXCのトレーダーランキングにおいて、常に上位にランキングされる世界有数のトレーダー。
2024年10月には1,229,864,919.71USDT(日本円に換算して 1920 億円)の取引を行い、第1位となる。2024年12月にGFA Capital社が行う暗号資産ディーリング業務のアドバイザーに就任。


監修 Trader Z
ディーリングアドバイザー
世界第3位の仮想通貨取引所であるMEXCのトレーダーランキングにおいて、常に上位にランキングされる世界有数のトレーダー。
2024年10月には1,229,864,919.71USDT(日本円に換算して 1920 億円)の取引を行い、第1位となる。2024年12月にGFA Capital社が行う暗号資産ディーリング業務のアドバイザーに就任。
Toncoin/TONとは何か
TONコインはToncoin(トンコイン)のガバナンストークン
項目 | 内容 |
---|---|
正式名称 | Toncoin (トンコイン) |
ティッカーシンボル | TON |
ローンチ時期 | 2021年(コミュニティによる再始動) |
対応チェーン | The Open Network (独自レイヤー1) |
通貨の種類 | ネイティブコイン(PoSベース) |
公式サイト | https://ton.org |
公式SNS | Twitter (X): @ton_blockchain |
CoinMarketCap チャートリンク | https://coinmarketcap.com/currencies/toncoin |
Toncoinを理解するうえで、まず開発の背景に触れることが大切です。そもそもTONはTelegramが独自のブロックチェーンを作り、プラットフォーム内で新しい決済やアプリ開発を実現しようとしたことから始まりました。2018年前後はICO(Initial Coin Offering)が盛んで、Telegramも大規模な資金調達を行った経緯があります。
ただ、その後アメリカの証券取引委員会(SEC)から「未登録証券としての疑義」を指摘され、Telegramはプロジェクトから手を引くことになりました。とはいえ、オープンソースとしてのコードとコミュニティは残されていたため、2021年以降は「TON Foundation」が中心となって開発が再開され、Toncoinという名称の暗号資産を運用しています。
Telegramと直接の資本関係はほぼ消失しましたが、Telegramの創業者であるパベル・デュロフ氏がTONコミュニティを応援する声明を2021年末に発表したことで、利用者の間で「Telegramの公式プロジェクトではないけれども強く関連している」というイメージが根付いています。
実際、Telegramが公式にウォレット機能を統合するなど、今も両者の連携は深いです。
TONの名前の由来と開発コミュニティ
Telegramによるプロジェクト当初は「Telegram Open Network」と呼ばれていたため、略称がTONとなりました。開発停止のあとコミュニティが引き継いだ際に「The Open Network」として再出発し、Toncoinが新しい暗号資産名として採用された形です。
現在は非営利団体TON Foundationが公式サイトやホワイトペーパーの管理を行い、世界中の開発者がオープンソースのコードを改善し続けています。このプロセスは中央管理者がいないブロックチェーンの理念にも合致しており、強いコミュニティ意識が支えとなっています。
Telegram内での活用事例
Telegramユーザーは「@wallet」という公式ボットを使い、Toncoinを送金することが可能です。友人や知人とチャットをしながら、そのままトーク画面でトンコインをやり取りできるという手軽さから、日常的な送金ニーズにも対応していると言えます。
こうしたメッセージアプリとの連動性は他の暗号資産にはあまり見られない特徴で、初心者でも利用しやすいと評価される要因です。
Toncoin/TONとは一体どんな仮想通貨ジャンルなのか
レイヤー1(L1)ブロックチェーンTON(The Open Network)
TONはレイヤー1ブロックチェーンに位置づけられます。イーサリアムやソラナ、ポルカドットと同じく、独自のコンセンサスアルゴリズムやスマートコントラクト環境を持ち、分散型アプリケーション(dApp)の開発も可能です。ただ、TONの場合はTelegramユーザーとの親和性を意識した機能が豊富に用意されています。
たとえばブロックチェーン上で使えるDNSや分散ストレージ、プロキシサービスなど、いわゆるWeb3インフラをワンストップで提供する構想がある点が特徴的です。
Telegramという大規模なユーザーベースを背景に、P2P送金や決済用途に強みを発揮しています。たとえば銀行送金よりも手軽な国際送金ツールとして活用することで、多くのユーザーを取り込める可能性があるでしょう。
さらに、TON上のトークンやNFTをやり取りするミニゲームやマーケットプレイスがTelegram内で起動する事例も増えてきています。これらのサービスにより、ブロックチェーン初心者でも自然とToncoinを利用できる状況が生まれています。
PoSとシャーディングによる高スループット
TONの大きな技術的特徴として、PoS(Proof of Stake)によるコンセンサス採用と、シャーディング技術の組み合わせが挙げられます。PoSでは保有トークンをステーク(担保)することでバリデータとなり、ネットワークの承認作業に参加できます。ビットコインのように膨大な電力を必要としない点で環境負荷が低いとされています。
さらに、ネットワークを複数のチェーンに分割するシャーディング技術によって、同時並行的にトランザクションを処理することで高い処理能力を目指しています。これらの仕組みにより、TONは1秒間に数万件以上のトランザクションを処理できる可能性があるとされています。
Telegram経由の実利用
単にブロックチェーンとして高性能なだけでなく、利用者がスムーズに触れられる導線があることがTONの強みです。多くの暗号資産は「ウォレットアプリをインストールし、秘密鍵を管理し、取引所で購入して送金」という手間を経なければならず、初心者にはハードルが高いかもしれません。
その点、TONはTelegramユーザーなら比較的短時間で「@walletボット」を使いこなせるため、ハードルが低いと考えられます。送金や決済以外にもNFTを発行できる機能などが徐々に増えており、今後さらにエコシステムが広がる可能性があります。
Toncoin/TONはなぜここまで有名になったのか
大規模ICOとSEC騒動
TONはもともとTelegramによる大規模なICOを行い、17億ドルを超える資金を調達したというインパクトがありました。Telegramは世界的なメッセンジャーアプリでユーザー数が多く、その創業者が手掛けるプロジェクトとなれば、暗号資産投資家の注目を集めるのは自然な流れと言えます。
SECの指摘によってTelegramが撤退したものの、かえって「継続を望むコミュニティが立ち上がった」というストーリーが広まり、2021年頃から再び世間の耳目を集めるようになりました。
ブランド力とコミュニティの支援
その後、Telegram自体が「@wallet」の公式ボットをローンチし、Toncoin送受信をサポートする動きが明確化したことで話題が再燃しています。実際にTelegramの画面上でToncoinを送金したり、手数料をほぼかけずに取引できたりする点が注目材料になりました。
数ある暗号資産の中でも、これほど大規模なSNSとダイレクトに結び付く例は非常に少ないため、実需を獲得しやすいという見方が強まったのです。
Telegramの創業者パベル・デュロフ氏がウォレット機能を整備
Telegramの創業者パベル・デュロフ氏は一時的にプロジェクトから離脱していましたが、その後にTONコミュニティを支持するコメントを出しています。こうしたトップの後押しを背景に、Telegram側が公式ウォレット機能を統合するなど、事実上のパートナーシップが強化されていきました。
分散型のコミュニティが開発を進めているものの、Telegramとの結び付きが明確であることが利用者や投資家に強い安心感を与えているようです。さらにSNSやチャット上での口コミも拡散しやすく、マーケティング面で他プロジェクトより優位に立ちやすい環境が整っています。
Toncoin/TONに関する注目のニュース
2025年1月、Telegramとの独占パートナーシップ
2025年1月にはTelegramとTON Foundationが正式に独占パートナーシップを結び、Telegram内での決済やミニアプリによる課金システムがToncoinを中心に行われることになりました。
これまでの段階では複数のブロックチェーンを検討しているかのような見方もありましたが、最終的にTONだけを優先採用する発表が大きな話題を呼んでいます。この発表後、Toncoinの取引量や時価総額が一時的に急増したという報道もあり、市場の熱気を感じさせます。
大手VCの支援
さらに、Sequoia CapitalやBenchmarkなど著名なベンチャーキャピタルが相次いでTONへの大規模投資を行った点も注目を浴びました。多くの場合、VCはプロジェクトの将来見通しを詳細に検討して出資を決定します。
そのため、大手VCが加わったことは、「プロジェクトが一定の信頼を得ている」と受け止める人もいます。投資額が数億ドル規模に上るとの情報もあり、成長資金が潤沢であることから今後の開発が加速する可能性があるでしょう。
今後の技術アップグレード
技術面でも2025年前半に「Accelerator」と呼ばれる大規模アップグレードを予定しており、シャードチェーンの並列処理を最適化するとされています。
また、レイヤー2(L2)の決済ネットワークを開発し、より高速かつ低コストでの取引を実現する構想も発表されました。大規模ユーザーが同時接続しても快適に利用できる基盤を整えることで、Telegram経由のグローバルユーザーをさらに取り込みたいという狙いが伺えます。
Toncoin/TONの将来性は?
Telegramユーザーの取り込み
TONに関して「Telegramユーザーをどこまで取り込めるか」という点は、今後の成長の大きな鍵となりそうです。月間アクティブユーザーが数億人を超えるTelegramでToncoin決済や送金が普及すれば、ブロックチェーンの大規模利用が一気に進む可能性があります。
技術的にもシャーディングによる並列処理など、膨大なトランザクションを高速で処理できる仕組みを備えているため、多数のユーザーが同時に利用するシナリオにも対応しやすいと言われています。
規制リスク
VCの出資によって開発資金が潤沢に確保されていることも強みです。ロードマップではさまざまな追加サービスを提供する計画が示されており、Telegram上で動作するdAppが増えるほどToncoinへの需要が高まる可能性があります。
ただし、Telegramそのものが国際的な規制や法的トラブルに直面するリスクもあるため、プロジェクト全体がその影響を受けるかもしれません。過去に創業者が拘束されたケースも報じられており、TelegramとTONが密接であるがゆえの弱点とも言えます。
規制面では、TONがグローバルに拡大するなかで各国の法整備や金融当局の目を引く段階に入ることが考えられます。特に送金や決済に関連する領域では、KYC(本人確認)やAML(マネーロンダリング対策)が求められるため、Telegram上の匿名性とのバランスをどう取るかが課題です。
コミュニティやTON Foundationがこの点をどのようにクリアするかによって、長期的な将来性が変わる可能性があります。
他のL1チェーン(イーサリアム/ソラナ)との比較
TONはイーサリアムやソラナなどと同じく、レイヤー1の分散型プラットフォームとしてスマートコントラクトやdAppの展開を可能にしています。イーサリアムは開発者コミュニティと実績が豊富ですが、スケーラビリティが課題とされることが多いです。
ソラナは高い処理性能をアピールしつつ、過去にはネットワーク停止などのトラブルを経験しています。
その点、TONはTelegramという圧倒的なユーザー導線があり、シャーディング技術により大容量のトランザクションに対応しやすいという強みがある反面、規制リスクやTelegram依存といった独特のリスクが残ります。
Toncoin/TONまとめ
TON(Toncoin)はTelegramという巨大メッセンジャーアプリを活用した高い利便性と、高速処理を実現するための先進的な技術を兼ね備えていることから、多くの利用者を獲得する可能性があります。
2025年にかけてTelegramとのパートナーシップや大手VCによる投資の動きが活発化しており、エコシステムの拡大に期待する声が増えています。ただし、Telegramの法的リスクや規制の影響をまともに受ける懸念もあるため、プロジェクトに関わる際には慎重な姿勢も必要でしょう。
初心者の方にとっては、Telegram内でボットを使ってToncoinを送受信できるというわかりやすい体験が魅力です。興味があれば小額から触ってみることも良いかもしれませんが、暗号資産全体に言えるボラティリティの高さや将来的な規制の可能性にも留意した上で判断することが大切だと考えられます。
Telegram発祥のプロジェクトならではの大きなチャンスとリスクが共存する銘柄ですので、常に最新情報を確認しながら賢く活用していくことをおすすめします。