
ARKがカナダのソラナETFに投資、米国で初の「ステーキング型ETF」接続

米投資会社ARKインベストメントは、ソラナ(Solana)のステーキングに対応するETFを自社の2つのテクノロジーETFポートフォリオに組み入れたことを発表した。これにより、米国上場ETFとして初めてソラナにエクスポージャーを持つ形となる。
ARKが顧客向けに送付したメールによれば、2024年4月21日付で、「ARK Next Generation Internet ETF(ARKW)」および「ARK Fintech Innovation ETF(ARKF)」が、カナダのETFである3iQの「Solana Staking ETF(SOLQ)」の株式を取得した。SOLQは、ステーキングされたソラナ(staked SOL)を保有するETFであり、カナダ最大の証券規制機関であるオンタリオ証券委員会(OSC)によって最近承認されたものである。
ソラナETF、米上場への布石と期待感
ARKの両ファンドは、コインベースやブロック、ロビンフッドなど暗号資産関連企業に加え、スポット暗号資産も含む、次世代技術への幅広い投資を目的としたETFである。今回のソラナETFの組み入れにより、ARKWとARKFは「米国上場ETFとして初めてソラナへの直接的なエクスポージャーを獲得した」とARKは強調している。
なお、米国では依然としてスポット型ソラナETFの承認は下りていないが、今年3月にはVolatility Sharesがソラナのデリバティブ商品を用いた2つのETFをローンチしており、機運は高まりつつある。さらに、ソラナの先物が米国のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に上場したことから、米国での正式なETF承認も近いとの見方が強い。
ソラナの成長とARKの暗号資産戦略
ソラナは現在、イーサリアムに次ぐブロックチェーンネットワークとして成長しており、DeFiLlamaのデータによれば、ネットワーク上のロックされた資産総額(TVL)は約70億ドルに上る。一方、イーサリアムは約450億ドルと依然として圧倒的な規模を誇る。
ARKはこれまでも21Sharesと共同で、スポット型ビットコインETF「ARK 21Shares Bitcoin ETF(ARKB)」を立ち上げており、2024年4月21日時点での純資産総額は約40億ドルに達している。また、スポット型イーサリアムETFでも同様の提携を試みたが、ローンチ直前の2024年6月に解消している。
今回のソラナステーキングETFの導入は、ARKが暗号資産分野において引き続き積極的な戦略を取っていることを示しており、米国市場におけるSOLのETF承認を見据えた先行的なポジショニングと評価できる。
GENAIの見解

特に注目すべきは、カナダのETFを経由する形で、米国上場のETFがstaked SOLにエクスポージャーを持った点です。これは、米国の規制が依然として不確実な中、ARKが代替ルートを活用して先行的にポジションを取っていることを示しています。
また、ソラナ(Solana)自体の市場での地位もこの決定を後押ししていると思われます。現在ソラナは、イーサリアムに次ぐ人気を持つL1チェーンとして確固たる存在感を示しており、TVL(ロックされた総資産)も70億ドルを超える水準にあります。高いスループットや低コストな取引手数料といった特徴が、今後の実需拡大につながると考えられています。
さらに、ステーキングという収益性の高い運用手段に対応したETFが組み入れられたことは、投資家にとって非常に魅力的です。これまでETFといえば、主に価格変動へのエクスポージャーを提供するものが中心でしたが、今後はステーキング報酬を含む収益モデルがETF市場でも一般化する可能性があります。
この動きは、米国市場におけるスポット型ソラナETFの承認を視野に入れた布石でもあり、ARKのような先進的なファンドが規制のグレーゾーンを巧みに活用しながら市場機会を広げていることが伺えます。
総じて、今回のニュースはソラナだけでなく、暗号資産全体のETF化・金融商品化を大きく前進させるものであり、今後の規制環境や投資商品設計にも影響を及ぼす重要な出来事であると考えております。