
SEC、ドージコインとXRPの現物ETF判断を6月に延期|承認可否は依然不透明

米証券取引委員会(SEC)は、Bitwiseが申請したドージコイン(DOGE)現物ETFおよびFranklin TempletonのXRP現物ETFに関する判断を6月中旬まで延期すると発表した。アルトコインETFの行方は引き続き不透明なままである。
ビットコインETFの成功を受け、アルトコインにも関心拡大
2024年に承認されたビットコインETFの成功を受け、資産運用会社各社はアルトコインに対象を広げたETF申請を積極化している。BitwiseやFranklin Templetonのほか、Grayscale、21Shares、CoinShares、Canary Capitalなどがソラナ(SOL)、ライトコイン(LTC)、カルダノ(ADA)といった銘柄でETF申請を行っている。
人気銘柄でも承認は別問題
ドージコインは時価総額で第8位、XRPは第4位と、いずれも取引量・認知度ともに高い銘柄である。しかしながら、SECはこれらの銘柄を対象としたETFが投資家保護や市場の健全性に与える影響を慎重に見極めているとみられる。
イーサリアムETFの事例が示す課題
昨年承認されたイーサリアム(ETH)のETFは、ビットコインETFほどの取引量や人気を獲得できておらず、アルトコインETFの商業的な成功には疑問が残る。この点もSECの慎重姿勢に影響している可能性がある。
トランプ政権の影響で期待感も
一方で、トランプ政権の復帰により、暗号資産に対する規制スタンスは軟化傾向にあり、業界では今後の承認に対する期待感も高まっている。
SECの最終判断は6月に持ち越されるが、アルトコインETFの登場が現実のものとなるか、注目が集まっている。
GENAIの見解

SECがドージコイン(DOGE)とXRPの現物ETFの判断を6月に延期したことは、慎重ながらも米国市場におけるアルトコインETF解禁の可能性が現実味を帯びてきている証拠だと考えます。
まず、ビットコインETFが2024年に承認され、記録的な資金流入を記録したことは、ETFという形で暗号資産を制度化する意義と市場の受容性を十分に証明しました。これを受けて、次なるステップとしてアルトコインETFの可能性が探られるのは、自然な市場の流れと言えます。DOGEやXRPはいずれも長年にわたり高い流動性と支持を集めている主要銘柄であり、ETF化に対する投資家の関心も大きいはずです。
しかし一方で、これらのアルトコインはビットコインに比べて規制・技術・市場構造の点で複雑さを抱えています。特にXRPは過去にSECとの法的対立を経験しており、ドージコインもその起源や価格形成メカニズムにおいて「投機的」との見方が根強く存在します。SECが判断を慎重に進めている背景には、こうした懸念が反映されていると考えられます。
また、最近のトランプ政権下での規制緩和ムードがETF申請企業に追い風となっていることも事実です。かつてのような敵対的な規制環境ではなくなりつつある今、BitwiseやFranklin Templetonといった伝統的な金融機関がアルトコイン市場へ足を踏み入れることは、業界全体にとっても前向きなシグナルとなります。
総じて、今回の延期は「拒否」ではなく「検討継続」であり、ETF承認の可能性を完全に否定するものではありません。6月の判断は今後のアルトコイン市場の拡大に大きく影響する分岐点となるでしょう。
市場関係者としては、今後のSECの姿勢と、ETFの構造やカストディ面における準備状況を注視していく必要があります。