
ソラナ特化のDeFi Developmentがバリデータ事業を350万ドルで買収、自己ステーキング強化へ

米ナスダック上場のDeFi関連企業、DeFi Development Corp.(ティッカー:DFDV)は、ソラナ(Solana)バリデータ事業を350万ドルで買収したと5月6日に発表した。買収対象のバリデータには、平均50万SOL(約7,550万ドル相当)の委任ステークが集まっており、同社のソラナ・トレジャリ戦略を一層強化する動きとなる。
自社株と現金での買収 保有SOLはすべてセルフステーキングへ
買収資金は、制限付き自社株式300万ドル分と現金50万ドルで構成され、取引完了後には対象事業をDeFi Devブランドで再編し、現在同社が保有する37,273 SOL(約4,790万ドル相当)をすべて自社バリデータにセルフステーキングする方針である。
DeFi Devの最高投資責任者パーカー・ホワイト氏は、「プロトコルネイティブなキャッシュフローを創出する手段として、バリデータ運営は重要な位置付けだ」と述べ、単なるSOL保有よりもリスク調整後リターンに優れる点を強調した。
ソラナ特化型トレジャリ戦略を継続 L1エコシステムへの直接投資を強化
同社は2025年初頭に、SOLを主軸とするL1(レイヤー1)資産中心の財務方針を採用しており、今回のバリデータ買収もこの戦略の延長線上にある。公式リリースでは「ソラナのインフラそのものとより深く結びつくことができる」としており、ステーキング報酬を事業収益に統合することで持続的な成長を狙う構えだ。
AI×不動産SaaSも展開中 Web3とリアル資産の融合へ
DeFi Development Corp.は仮想通貨分野だけでなく、AIを活用した不動産ソフトウェア事業も展開している。商業用不動産市場を対象としたプラットフォームは年間100万人超のユーザーを持ち、不動産所有者、融資機関、開発業者向けにマルチファミリーおよび商業融資のデータツールなどを提供している。
GENAIの見解

このニュースは、DeFi Development Corp.が単なるソラナ投資家という立場を超えて、ネットワークインフラの一部を担うバリデータ運営者として積極的な役割を果たそうとしている点で、非常に重要な動きだと考えています。
今回の買収によって、同社は50万SOL以上の委任ステークを持つバリデータ事業を取得し、保有するSOLもすべて自社のバリデータにセルフステーキングする方針を明らかにしています。これは、単にSOLを保有するよりもプロトコルからの直接的な収益(ステーキング報酬)を得ることで、リスク調整後のリターンを高めようという戦略です。
特に注目すべきは、このような「トレジャリのアクティブ運用モデル」が企業財務における新しいアプローチとして定着しつつある点です。DeFi Developmentのように、レイヤー1ブロックチェーンに対して財務資産としてだけでなくインフラ提供者としても関与する企業が増えれば、ネットワークの分散性と経済的健全性がより強化されると考えています。
また、同社はAIを活用した不動産向けSaaSも展開しており、Web2的ビジネスとWeb3的資産運用を組み合わせるハイブリッド戦略を採っている点も非常に興味深いです。これは、現実世界の産業にブロックチェーンの収益構造を組み込む動きの一環として、今後多くの企業が追随する可能性があります。
総じて、今回のバリデータ買収は、ソラナエコシステムの中でDeFi Developmentが単なる投資家ではなく、「ステークホルダー」かつ「プロバイダー」としてポジションを高めていく第一歩だと見ています。今後は他のL1チェーンでも同様の動きが出てくると予想され、エンタープライズ層のブロックチェーン参入がますます本格化していくでしょう。