
アルトコインシーズンの幕開けか?──ビットコインが高値圏維持、ETHやWIFなど急騰

2025年5月13日時点で、暗号資産市場の時価総額は3.33兆ドルに達し、過去24時間で0.44パーセントの上昇を記録した。ビットコイン(BTC)は週単位で10パーセント上昇し、過去最高値の5パーセント手前に位置しているものの、今週はアルトコインの急騰が際立った。
アルト急騰で新フェーズ突入の兆し
イーサリアム(ETH)は過去7日間で44.8パーセントもの上昇を見せ、ドッグウィフハット(WIF)は108.8パーセント、PIが95.2パーセント、PEPEが79.4パーセント、ENAが49.5パーセントと、複数のアルトコインが2桁~3桁の上昇率を記録している。
こうした値動きから、仮想通貨コミュニティでは「アルトコインシーズン(Altcoin Season)」到来への期待感が高まっている。
アルトコインシーズンとは?──BTCを上回る上昇が市場全体に波及する現象
アルトコインシーズンとは、一般的にビットコイン以外の暗号資産(アルトコイン)が一斉に高騰し、ビットコインのパフォーマンスを上回る現象を指す。過去の相場サイクルでも、ビットコインが高値圏で停滞するタイミングで資金がアルトに流入する傾向が見られた。
X(旧Twitter)上では、「ビットコインが過去最高値付近で足踏みする中、イーサリアムが静かに上昇を始めている」「そろそろアルトコインシーズンが来る」といった声が多く投稿されている。
あるユーザーは「ALT Season is imminent. Are you positioned, Anon?(アルトシーズンは目前だ。君は準備できているか?)」と強気な姿勢を見せている。
ただし指標ではまだ「本格化」とは言えず
一方で、現在の値動きが本格的なアルトコインシーズンに突入しているかどうかについては、慎重な見方もある。
Blockchaincenter.netが提供する「Altcoin Season Index(ASI)」によると、上位50銘柄のうち75パーセント以上が過去90日間でビットコインを上回る成績を記録した場合に「アルトコインシーズン」と定義される。現時点でこのインデックスは「24」となっており、基準値にはまだ遠い。
同期間において、ビットコイン以上のリターンを記録した銘柄はわずか11銘柄にとどまっており、市場の一部でアルトコインが急騰しているものの、全体的な広がりにはまだ乏しい状況である。
市場の注目は次のステージへ
とはいえ、ビットコインが過去最高値付近で推移し続ける中で、資金がアルトコインへと流れ出すパターンは過去にも多く見られており、今回も同様の展開となる可能性は十分にある。
今後、ETHや主要アルトが引き続き上昇基調を維持し、Altcoin Season Indexが75を超えるような広範な動きが見られれば、本格的なアルトコインシーズンの到来と見なせるだろう。
GENAIの見解

まず、ビットコインが過去最高値に迫る水準で安定している一方、イーサリアムが週次で45パーセント近く上昇し、WIFやPEPEのようなミーム系や新興トークンにまで資金が波及している点は、明確なリスクオン相場の兆候です。
特に、大型銘柄から小型アルトへと資金が段階的に流れていく流れは、過去のアルトコインシーズンの典型的な前兆と一致しています。
ただし、Blockchaincenter.netのAltcoin Season Index(ASI)が「24」にとどまっていることからも分かるように、現時点では市場のごく一部にのみ動きが集中しており、「シーズン入り」と断言できる段階にはまだ至っていないと判断します。過去の本格的なアルトコインシーズンでは、上位50銘柄の大多数がBTCを凌駕していたため、現状は“前哨戦”という位置づけが適切です。
重要なのは、この先ビットコインが高値圏で横ばいを維持し、資金がETHやL2銘柄、インフラ系、さらにはミームコインやゲーム系へと広がっていくかどうかです。そうなれば、Altcoin Season Indexも急速に上昇し、個人投資家のFOMO(乗り遅れ不安)による追随資金がさらなる相場の加熱をもたらす可能性があります。
総じて、現段階では「準備段階」にあると見るのが妥当ですが、市場のセンチメント、資金フロー、指標の推移によっては、数週間以内に本格的なアルトコインシーズンが始まる可能性も十分あると感じています。投資家にとっては、冷静に相場を見極めつつ、流動性や出来高の変化に注意を払いながらポジション構築を検討すべきタイミングです。