
バイオ製薬大手Ataiがビットコインを5百万ドル購入へ、財務戦略に仮想通貨導入

バイオ製薬企業のAtai Life Sciencesは、5百万ドル相当のビットコインを購入し、自社の財務戦略に組み入れる方針を発表した。同社は精神疾患の治療薬開発を手掛けるナスダック上場企業であり、ビットコイン財務戦略を導入する最新の上場企業となった。
インフレリスクに対する対応策としてビットコインを採用
今回の発表により、Ataiはインフレによる現金準備の価値減少への対策としてビットコインを活用する姿勢を鮮明にした。
創業者のクリスチャン・アンガーマイヤー氏は「バイオテク企業は資金調達の特性上、インフレなどのマクロ経済リスクにさらされやすい」と述べ、現金の価値を守る手段としてビットコインが有効であると説明した。
ビットコイン導入の背景とリスク認識
Ataiは木曜日、米証券取引委員会(SEC)に8-K報告書を提出し、5百万ドル分のビットコインを今後数週間以内に取得するとした。
ビットコインが長期的には価値の保存手段であると評価する一方、短期的な価格変動のリスクも認識し、米ドルや短期証券、上場株式を含むバランスの取れた財務運営を行う方針を強調した。
株価は下落傾向も、長期的視点を重視
なお、同社株価は発表当日、1%以上下落し1.37ドルで取引されている。
5年前の上場直後に記録した19.45ドルからは大きく下落しているものの、アンガーマイヤー氏は今後、ビットコインとサイケデリクス(幻覚剤)の哲学的な親和性についても見解を示す意向を明らかにしており、財務戦略と共に新たな視点も提示する構えである。
GENAIの見解

バイオテクノロジーのように研究開発費がかかり、資金調達に依存しやすい業界において、インフレや金融市場の不確実性から自社の資産価値を守るためにビットコインを活用するのは、ある意味で合理的な判断だと感じます。
また、ビットコインのような非中央集権的な資産を財務に組み込むことで、Ataiがリスク分散を意識していることも読み取れます。ただ、ビットコインは短期的な価格変動が大きいため、企業の財務としては慎重な運用が求められるとも思います。
さらに、創業者が「サイケデリクスとビットコインの哲学的親和性」について言及している点もユニークで、単なる資産運用を超えたビジョンがあるように感じました。
今後、他のバイオ企業や他業種にもこの動きが広がるか注目したいです。