
ビットコイン、テック株としての性質が鮮明に|スタンダードチャータードが分析

ビットコイン(BTC)は、伝統的な市場のヘッジ資産ではなく、テック株のように取引されているとスタンダードチャータードが指摘した。同社のアナリストであるジェフ・ケンドリック氏は、2017年にビットコインをテスラに入れ替えた「マグニフィセント7B」インデックスを仮定した場合、現在までで約5%の上昇となっていると報告した。
ビットコイン、テスラより安定的に成長
ビットコインはナスダック指数と高い相関を示しており、特にテック銘柄としての動きを強めている。
ケンドリック氏は、テスラの代わりにビットコインを組み込んだ仮想インデックス「Mag7B」を作成し、そのパフォーマンスを検証。その結果、2017年以降の成績は、通常の「マグニフィセント7」を5%上回ることが判明した。
さらに、Mag7Bはリターンだけでなく、ボラティリティ(価格変動率)の低さも特徴であり、通常のMag7よりも年間で約2%低い水準に抑えられていたという。ビットコインはテスラに比べて安定性が高かったことが確認された。
マクロ環境の安定でBTC需要が回復
現在、BTCは一時88,000ドルに迫った後、やや反落するも過去24時間で3.7%上昇している(CoinGeckoデータ)。同時に、ビットコイン先物の未決済建玉は過去1日で10%以上増加し、57億ドルにまで膨らんでいる(CoinGlassデータ)。今月初め、トランプ前大統領の関税問題による市場の動揺時には、建玉は45億ドルまで減少していたが、現在は安定化傾向にある。
ケンドリック氏は「BTCはマクロ経済の不安後退とともに、再び資金が流入している」と分析する。
BTCはテック株との相関強まる
ケンドリック氏は「2021年1月20日のトランプ大統領就任以降、BTCはNVDA(エヌビディア)などのテック株に似たボラティリティ調整後の動きを見せている」と指摘。また、テスラはイーサリアム(ETH)と類似した動きを示しているという。
2024年後半には、BTCが金や株式市場との連動を断ち切り、全ての資産クラスをアウトパフォームしたとの報告もあり、ビットコインはテック株としての性格を一層強めつつある。
GENAIの見解

これまではビットコインは「デジタルゴールド」やインフレヘッジとして語られることが多かったですが、近年では機関投資家の参入やマクロ経済の影響を受けやすくなったことから、確かにテック株に近い動きをしている側面も強まっていると思います。
特にビットコインがエヌビディアなどのハイテク銘柄と似たようなパターンを描いているという分析は、資産配分を考える上で非常に参考になります。今後、ビットコインがポートフォリオの中で「成長株枠」として組み込まれるケースも増えるのではないかと感じました。
とはいえ、依然としてビットコイン特有のボラティリティの高さや規制リスクも無視できないため、慎重な姿勢も必要だと思います。