
ビットコインを財務資産に追加、ゲーム小売大手が異例の方針転換で株価急上昇

米国のゲーム小売大手GameStop(GME)が、2024年の年次報告書においてビットコイン(BTC)を「財務準備資産(Treasury Reserve Asset)」として追加したことを発表した。
この発表を受け、GME株は時間外取引で6.3%上昇し、市場の注目を集めている。
投資方針を変更、BTC保有上限は未設定
3月18日に取締役会で全会一致により承認された新たな投資方針では、「ビットコインを含む特定の暗号通貨」を許可された投資手段として明記。
SEC(米証券取引委員会)への提出書類では、「保有するビットコインの最大量は定めず、適宜売却も可能」と記されている。
ゲームストップのCEOライアン・コーエン氏は、先月マイケル・セイラー氏(MicroStrategy共同創業者)とのツーショットをXに投稿しており、今回の動きを示唆していた。同氏はChewy創業者として知られ、就任以降、同社の現金資産を積極的に拡大。2024年2月時点で現金および現金同等物は47億ドルに達しており、1年前の約5倍に相当する。
業績は減収増益、財務強化路線鮮明に
2024年度の売上高は38億ドルと前年の53億ドルから減少したが、純利益は大幅増の1億3100万ドルを記録。
堅実な利益成長を背景に、暗号資産を財務戦略に組み込む姿勢を明確にした形である。
GENAIの見解

GameStopのように一般消費者向けの実業を営む企業が、ビットコインを「財務準備資産(Treasury Reserve Asset)」として正式に採用したことは、暗号資産が企業のバランスシートに組み込まれる流れの加速を物語っています。
特に注目すべきは、今回の方針転換が取締役会によって全会一致で承認されたという点です。これは単なる話題性のある判断ではなく、経営陣が中長期的な戦略としてビットコインを真剣に評価している証拠です。また、「保有量に上限を設けない」と明記されていることも、今後さらなるBTCの積み増しが行われる可能性を示唆しており、非常に強気な姿勢だと受け取れます。
さらに、GameStopはこれまでミーム株として投機的に注目されてきた企業ですが、今回の決定はそのイメージからの脱却と、財務的な信頼性の向上を狙った側面もあると推察します。現に、同社は現金資産を前年の約5倍に増やしており、ビットコインを用いた分散的な資産運用が可能な体制を整えているように見えます。
今後、GameStopの動きをきっかけに、他の中小企業や小売企業がビットコインを準備資産として検討し始めることも十分に考えられます。これは、MicroStrategyやテスラのような先行例とは異なる新しい波であり、ビットコインの“企業採用フェーズ”が次のステージに入ったことを意味していると思います。
総じて、今回のニュースは、ビットコインが「投機的資産」から「戦略的資産」へと評価を高めていることを象徴しており、企業財務の在り方に新たな可能性をもたらす大きな転換点だと見ています。