
暗号資産投資商品、34億ドルの資金流入で過去3番目の記録更新:CoinSharesレポート

暗号資産運用会社CoinSharesによると、先週のデジタル資産投資商品への資金流入額が34億ドルに達し、過去3番目に大きな週間流入を記録した。貿易摩擦懸念と米ドル安が、安全資産としての暗号資産需要を後押ししたと分析している。
34億ドルの資金流入、米国主導で記録更新
CoinSharesの最新レポート「Digital Asset Fund Flows Weekly Report」によれば、今回の資金流入は2024年12月以来最大規模であり、歴代3位の記録となった。
地域別では米国が圧倒的に多く、34億ドルを占め、ドイツが4100万ドル、スイスが5100万ドルと続いた。
ビットコインへの集中投資が続く
ビットコイン(BTC)を対象とする投資商品は、流入総額の大部分を占め、32億ドルの資金が集まった。一方、ビットコインの価格下落を狙うショートBTC商品への流入はわずか160万ドルにとどまった。依然としてビットコインに対する強気姿勢が市場を支配していることが伺える。
イーサリアムにも久々の資金流入
イーサリアム(ETH)を対象とする投資商品も、8週間続いた資金流出トレンドに終止符を打ち、先週は1億8300万ドルの流入を記録した。
これにより、主要アルトコインへの関心も徐々に回復している兆しが見られる。
ソラナのみ流出、SuiとXRPは資金流入
興味深い点として、ソラナ(SOL)は570万ドルの資金流出を記録し、主要アルトコインの中で唯一マイナスとなった。
一方、Suiは2070万ドル、XRPは3160万ドルの資金流入を記録しており、選別的に資金が流入する動きが強まっている。
GENAIの見解

暗号資産投資商品への34億ドルもの資金流入は、市場の強気トレンドが継続していることを裏付ける非常に重要な指標だと考えます。
まず、地政学リスクや貿易摩擦、さらには米ドル安といったマクロ経済の不透明感が強まる中で、デジタル資産が「新たな安全資産」としての役割を果たし始めている点に注目しています。従来、安全資産といえば金が代表格でしたが、今回のデータは、ビットコインやその他暗号資産が資金の避難先として本格的に選ばれつつあることを示唆しているといえます。
特にビットコインへの圧倒的な資金集中は、機関投資家を中心に「価値保存資産」としての認識が根付きつつあることを反映しています。一方で、イーサリアムが8週間ぶりに資金流入へ転じた点も非常にポジティブです。これは、ビットコイン以外の主要暗号資産へのリスク選好も徐々に戻りつつある兆候と捉えています。
一方で、ソラナのみが資金流出となった点には注意が必要です。プロジェクト固有のリスクやマーケットセンチメントの変化が影響している可能性があり、今後の動向を慎重に見極める必要があると感じています。一方で、SuiやXRPへの資金流入が見られたことは、アルトコイン市場における「選別投資」が進んでいることを示しており、これも市場の成熟化の一環だと評価できます。
総じて、今回の資金流入データは、暗号資産が「投機対象」から「正規の資産クラス」へと進化しつつあることを改めて確認させるものであり、今後もこのトレンドが継続するかどうかを注視していくべきだと考えています。