「ビットコインは今四半期中に過去最高値、年内に20万ドル到達へ」スタンダードチャータードが予測

スタンダードチャータード銀行のアナリストは、ビットコイン（BTC）が今四半期中に過去最高値となる12万ドルに達し、さらに年末までに20万ドルを突破すると予測している。米国資産からの資金シフトや各種指標が、この強気予測を後押ししている。

資産の再配分がビットコインの次なる急騰を促進

同行のデジタル資産リサーチ責任者であるジェフリー・ケンドリック氏は、米国ベースの投資家が非米国資産へのシフトを進めていること、ビットコインのクジラ（大口投資家）による買い集め、そしてETFへの資金流入が「金からビットコインへの安全資産シフト」を示していることを根拠に、強気な見通しを示している。

過去の価格動向からも上昇タイミングを示唆

ケンドリック氏は、ビットコインの過去の値動きにおいて急騰後に長期間の横ばい局面が続く傾向があることに言及し、「こうした上昇局面のタイミングを捉えることが極めて重要だ」と述べている。

現在の動きは、次なる急騰フェーズの序章である可能性が高いと見ている。

トランプ政権の関税緩和期待も追い風に

ビットコインは過去1週間で約9％上昇しており、現在は94,707ドル前後で推移している。

この上昇は、米国大統領ドナルド・トランプ氏が関税政策を見直すとの期待感によって市場心理が改善したことも一因となっている。

ケンドリック氏は「夏を通じて上昇が続き、年末にはビットコインは20万ドルに達する」と予測しており、ビットコインが引き続き投資家にとって魅力的な資産であり続けるとの見方を示している。

まず、米国資産からの資金シフトという観点は非常に重要です。米国経済の先行き不安や金利動向、さらには地政学リスクなどを背景に、機関投資家が非米国資産、特にデジタル資産へのエクスポージャーを拡大しようとしている兆しが明確に見えています。このトレンドが続く限り、ビットコインに対する資金流入圧力は高まり続けるでしょう。

また、ビットコインのクジラによる累積買いが進んでいることや、ETF市場への莫大な資金流入も、需給バランスをタイトにしており、価格上昇圧力を強める要因となっています。さらに、トランプ政権の関税政策の見直し期待による市場心理の改善も、ビットコインにとって追い風となっています。

一方で、ケンドリック氏が指摘しているように、ビットコインは過去に急騰後に長期の横ばい期間を経験してきた歴史があるため、常に一方向に動くわけではない点にも注意が必要です。ただし、今のようにファンダメンタルズが整い、かつ世界中から資金が流入している局面では、上昇トレンドの持続可能性は高いと見ています。

総じて、スタンダードチャータードの「今四半期に過去最高値、年末には20万ドル到達」という予測は、現状の市場構造を踏まえれば過度に楽観的とは言えず、十分に視野に入るターゲットだと評価しています。

今後も市場センチメントや資金流入動向を注視しながら、ビットコインの動きを追っていきたいと考えています。