「ビットコイン時価総額200兆ドル時代が到来する」Blockstream CEOアダム・バック氏が予測

暗号資産業界の古参であり、BlockstreamのCEOを務めるアダム・バック氏が、ビットコイン（BTC）の将来的な時価総額について驚異的な予測を示した。氏は、ビットコインが世界の基軸資産となる「ハイパービットコイン化（Hyperbitcoinization）」に向け、200兆ドル規模の市場へ拡大する可能性があると見ている。

ビットコイン財務戦略は「持続可能な裁定取引」

バック氏は、自身のX（旧Twitter）投稿において、Strategy社のようなビットコインを財務資産として組み込む企業の動きは、「ビットコインの未来」と「現在の法定通貨経済」との価格乖離に対する持続可能な裁定取引であると述べた。「スケーラブルで持続可能な100～200兆ドル規模のトレードだ」として、今後多くの上場企業がBTCを財務戦略に組み込む余地があると強調している。

4年周期での上昇がカギ、インフレに勝る資産

氏によれば、ビットコインの価格がインフレや金利を上回るペースで4年周期に上昇してきた実績こそが、こうした戦略を可能にしている要因だという。ただし、「この裁定機会は永遠には続かない」とし、ハイパービットコイン化の後には、mNAV（純資産倍率）は1に収束する可能性があると指摘した。

世界の「価値基準」がビットコインへ移行する可能性

バック氏は、企業が財務資産としてビットコインを選ぶ動きは、やがて世界全体の「価値基準」がドルなどの法定通貨からビットコインへと移っていくプロセスであると説明した。

将来的には、企業の利益水準や資本効率を判断する基準として、ビットコインが使われる時代が来る可能性もあるとしている。

記事執筆時点で、ビットコインは93,773ドルで取引されており、過去7日間で約8％の上昇を記録している。企業の財務戦略や国家レベルでの採用が広がる中、ビットコインの成長性に対する期待は一段と高まっている。

まず注目すべきは、バック氏が単に価格の上昇を期待しているわけではなく、ビットコインが法定通貨に代わる「価値の基準」として世界中で受け入れられていく未来を見据えているという点です。企業が米ドルやその他の通貨ではなく、ビットコインを財務資産として保有することが当たり前になる時代がくれば、現在の金融システムそのものの前提が大きく変わることになります。

実際、マイクロストラテジー社をはじめとする企業がすでに「ビットコインを財務戦略の中心に据える」動きをとっており、これは単なる投機的な保有ではなく、ビットコインがインフレや信用リスクに強い資産として認識され始めていることを示しています。

ただし、現実的に200兆ドル規模の市場に達するためには、国家レベルでの採用拡大、規制の明確化、そして取引インフラのさらなる整備が必要です。ハイパービットコイン化という現象は段階的にしか進まないものの、ビットコインが「価値を測る新たな物差し」として認知される流れは今後も続くと見ています。

総じて、この予測は現時点では未来志向のシナリオに過ぎないものの、長期的にビットコインが経済システムの根幹に組み込まれていく可能性を考える上で、極めて示唆に富んだ発言であると評価しています。