
ビットコインETFに18億ドルの資金流入、ブラックロック主導で好調維持

米国のビットコインETFが好調な資金流入を続けており、4月17日以降のポジティブな流れが先週も継続した。CoinGlassの最新データによると、先週1週間でビットコインETFには18億ドル以上の資金が流入している。
木・金で10億ドル超の流入 ブラックロックETFが突出
先週の木曜日と金曜日には、それぞれ4億2,300万ドルと6億7,500万ドルの流入が記録され、金曜日の流入額は2025年の年間で7番目に多い水準となった。
CoinSharesのデジタル資産ファンドフロー・レポートによれば、ブラックロックの「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」が週を通じて25億6,000万ドルの純流入を記録し、全ETF中で最も資金を集めた。一方、Ark 21Shares Bitcoin ETFなどの一部の競合商品は資金流出となり、ArkのETFは4億5,800万ドルの純減を記録した。
機関投資家とアドバイザリー企業が流入の中心に
ドバイで開催されたカンファレンス「Token2049」に登壇したブラックロックのデジタル資産責任者ロバート・ミッチニック氏は、「ETFへの資金フローは再び大きく回復しており、かつて個人投資家が中心だった構造から、現在は機関投資家やアドバイザリー企業が主要な担い手になっている」と語った。
ミッチニック氏はさらに、ビットコインETFの人気が高まっている背景には、ビットコインが各国の金融リスクと相関しない“セーフヘブン資産”としての認識が広がっていることがあると指摘した。
ビットコインの市場支配力が4年ぶり高水準に
ビットコインは現在、暗号資産市場におけるドミナンス比率が過去4年間で最高水準にあり、イーサリアムやソラナ、ドージコインなどの主要アルトコインが年初の高値から大きく下落していることと対照的である。
CoinGlassのデータによると、先週のイーサリアムETFへの純流入額は約1億4,920万ドルと、ビットコインETFの10分の1程度にとどまっており、ビットコイン偏重の状況が顕著になっている。
GENAIの見解

このニュースは、ビットコインが金融市場においてますます「制度的に受け入れられた資産」として定着しつつある現状を非常によく表しています。
特に、今回のように1週間で18億ドルという規模の資金がETF経由で流入したことは、投資家の需要が一時的なブームではなく、中長期的な戦略の一環としてビットコインを選好していることを示していると考えます。
注目すべきは、資金流入の主力が今や個人投資家から機関投資家やアドバイザリーファームへと移行している点です。ブラックロックのような世界的な運用会社が主導するビットコインETFが最大の流入を記録しているという事実は、企業年金、保険、富裕層資産管理など、従来の金融機関によるビットコイン採用が進んでいる証拠です。
また、ミッチニック氏が述べているように、ビットコインが国家や中央銀行の金融政策と独立した「セーフヘブン資産」として評価され始めていることも重要です。地政学的リスクや通貨の信認が揺らぐ局面で、国境を超えた価値保存手段としてのビットコインの立ち位置がより強固になっていると感じます。
一方で、アルトコインとの資金流入格差が広がっていることは、市場の成熟とリスク選好の差を如実に表しています。ETF市場においては、まずは信頼性・流動性・規制の面で優位なビットコインが中心になり、アルトコインはその後を追う展開になると予想されます。
総じて言えば、ETFを通じた資金流入の増加はビットコインのボラティリティを相対的に抑制し、価格の下支えになるとともに、今後のさらなる制度的拡大の基盤になると見ています。ビットコインが“オルタナティブ資産”ではなく、“基幹資産”として位置づけられる時代が、いよいよ本格化してきたと感じます。