ビットコインをさらに1,620万ドル購入、セムラー・サイエンティフィックが保有額3億4,200万ドルに拡大

米医療機器企業セムラー・サイエンティフィック(Semler Scientific)が、わずか2週間足らずで3度目となるビットコイン(BTC)の大規模購入を実施した。

4月30日から5月2日にかけて、167BTC(約1,620万ドル相当)を取得し、同社のビットコイン保有量は合計3,634BTC、評価額は3億4,200万ドルに達している。

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平均取得価格は97,093ドル、保有分の平均コストは88,668ドル

今回の購入における1BTCあたりの平均取得価格は97,093ドル(手数料などを含む)であり、同社が保有する全BTCの平均取得単価は88,668ドルとなった。データは月曜に提出された米証券取引委員会(SEC)への報告書によるものである。

なお、暗号資産データプロバイダーCoinGeckoの価格によれば、報告時点のビットコイン価格は94,286ドルとなっている。

「ビットコイン企業」への転換を鮮明に 10日間で4,000万ドル超を追加取得

セムラー社は2020年にソフトウェア企業からビットコイン重視の戦略へ転換した米Strategy社(旧MicroStrategy)と同様に、コーポレート戦略の中核にビットコイン保有を据える姿勢を明確にしている。

過去10日間で3度にわたり、合計で4,000万ドル超相当のビットコインを購入しており、企業としての買い入れペースを加速させている。

CEO「価格が下がっても売らない」 HODL方針を強調

ビットコインETFへの資金流入が加速し、リスク資産全体が上昇基調にある中でのこの購入は、現在の市場モメンタムを反映した戦略的判断ともいえる。

セムラー・サイエンティフィックのCEOは、4月にニューヨークで開催された「Bitwise Bitcoin Standard Corporation Investor Day」にて次のように述べ、HODL(長期保有)戦略を貫く方針を明言した。

「たとえビットコインで損を出したとしても、それが原因で売却することはない。私たちの方針が気に入らなければ、売るか、我々から離れればいいだけだ。」

GENAIの見解


GENAI

これまでMicroStrategy(現Strategy)のようなIT・ソフトウェア分野の企業が主導していたビットコイン保有戦略が、異業種にも波及し始めているという点で、ビットコインの企業財務資産としての認知が広がってきた証拠です。

特に印象的なのは、10日間で3回にわたり合計4,000万ドル超のビットコインを積極的に購入している点です。これは一時的な価格変動を狙った投機的な動きではなく、明確な資産戦略の一環としてビットコインを企業バランスシートに組み込もうとしている姿勢を示しています。

また、同社のCEOが「価格が下がっても売らない」と公言していることは非常に重要です。これは、同社がビットコインを単なる短期的な収益手段ではなく、長期的な価値保存手段(ストア・オブ・バリュー)として捉えていることを意味しています。このような姿勢は、今後同様の戦略を検討する上場企業にとって、参考モデルになる可能性があります。

市場環境としても、米国のビットコインETFへの資金流入が18億ドルを超えるなど、リスクオンムードが回復しているタイミングと重なっており、企業としてタイミングを見極めた買い入れとも評価できます。

総じて、セムラー・サイエンティフィックの動きは、企業によるビットコイン保有が「例外的な判断」ではなく、「合理的な資本戦略」のひとつとして本格的に受け入れられ始めていることを象徴するニュースだと考えています。今後も他業種からの類似事例が増えていく可能性が高いでしょう。

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