ビットコインは「まだ伸びしろが大きい」──著名投資家ビル・ミラーIVが20兆ドル市場を予測

米投資会社ミラー・バリュー・パートナーズのCIO（最高投資責任者）であるビル・ミラーIV氏は、ビットコインの現在地について「まだ初期段階にあり、大きな上昇余地がある」と述べた。インタビューはCNBCの番組内で行われたもので、ビットコインが再び6桁の価格帯に突入したことにも言及している。

ビットコインは金を超える資産へ

ミラー氏は、ビットコインの基本的な機能を「法定通貨の無責任な発行に対するチェック機能」と位置付け、その存在意義を強調した。彼は、金の市場規模が約20兆ドルであるのに対し、ビットコインは現在でも約2兆ドルに過ぎないとし、「機能的にはビットコインの方が優れている」と語った。

その理由として、ビットコインは盗難リスクが低く、保管も簡単で、即時に送金可能であること、さらに最も重要なのは「完全に監査可能」である点を挙げた。

監査性の違いで示す優位性

ビットコインの透明性に関して、ミラー氏は「フォートノックス（金保管庫）の金を監査するには約4万4千時間と18か月かかるが、ビットコインであれば数個のアドレスをブロックチェーン上で即座に誰でも確認できる」と述べた。

「アメリカ国民にとっても、ブロックチェーン上のビットコインアドレスを簡単に確認できる方が、遥かに安心できる資産運用になるだろう」と続け、国が保有する資産としてのビットコインの可能性を示唆した。

規制の遅れと成長の余地

また、米国における暗号資産規制、とくにステーブルコインに関しては「まだ初期段階にあり、規制は不明確」としつつも、そうした停滞がかえって「より明確なルール策定への転換点になる可能性がある」とも述べた。

連邦準備制度理事会（FRB）などの機関が以前の制限を一部緩和している点を挙げ、環境が徐々に整いつつあると評価した。

特に印象的だったのは、「ビットコインは金よりも機能的に優れている」という指摘です。保管の容易さ、移動の速さ、監査可能性といった要素は、国家レベルでの資産運用やリザーブ資産の見直しにも直結する議論だと感じます。現代のデジタル環境においては、物理的資産よりも透明性と即時性の高いビットコインの方が適している場面が増えていると言えるでしょう。

また、米国の規制環境が整備されていくことが、ビットコインのさらなる価格上昇と市場安定性につながると期待されます。今後も金融政策や通貨供給に対する“監視ツール”として、ビットコインの需要は世界的に高まり続けると見ています。

全体として、ミラー氏の「ビットコインはまだ初期段階にある」という見解には強く同意します。価格が上がっていても、それは氷山の一角にすぎず、今後さらに多くの投資家や国家がこの資産に注目する可能性が高いと考えます。