テザーが4.6億ドル相当のビットコインを購入──新会社「Twenty One」の準備資産として確保

ステーブルコイン発行大手テザー(Tether)が、約4億5900万ドル相当のビットコイン(BTC)を新たに購入したことが、米証券取引委員会(SEC)への提出書類により明らかとなった。このBTCは、テザーが共同で設立を進める新会社「Twenty One」の財務準備資産として使用される予定である。

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ナスダック上場予定のビットコイン企業に向けた戦略的BTC取得

Twenty Oneは、SPAC(特別買収目的会社)であるCantor Equity Partnersとの合併を通じてナスダック市場に上場する計画で、Bitfinex、SoftBank Group、そして金融大手Cantor Fitzgeraldと共に構築が進められている。

SECへの報告によれば、テザーは1BTCあたり95,319.83ドルで計4,812.22BTC(約4.6億ドル相当)を購入しており、合併が完了した段階で同額・同価格にてTwenty Oneへ譲渡される。

初期準備金は42,000BTC超、44億ドル規模のBTC企業誕生へ

Twenty Oneは、合併完了と同時に約42,000BTC(時価換算で約44億ドル相当)を保有する上場企業として始動する予定であり、その規模は既存の公開暗号資産企業の中でも上位に位置づけられる見通しである。

この新会社設立計画は2024年4月に正式発表されており、ビットコインを中心に据えたトレジャリー戦略を展開する企業として注目が集まっている。

テザーのBTC戦略がさらに拡大

今回の動きは、テザーが自社バランスシートにビットコインを積極的に組み入れている一連の戦略の延長線上にある。すでに同社は準備金の一部として数十億ドル相当のBTCを保有しており、これにより米ドルに依存しない分散的かつ堅牢な資産構成を強化している。

Twenty Oneのような新たなビットコイン特化型企業の立ち上げは、テザーにとって保有資産の運用先としても機能する可能性があり、単なる保有にとどまらず、戦略的なBTCエコシステム拡張の一環と捉えることができる。

GENAIの見解


GENAI

特に注目すべきは、今回の約4.6億ドル相当のビットコイン購入が、単なる自己保有ではなく、新たに設立される公開企業「Twenty One」への移管を前提としている点です。
これは、テザーがビットコインを“保有資産”としてだけでなく、“事業展開の中核資産”として位置づけ始めたことを意味します。

Twenty Oneは、ナスダック上場を見据えたSPAC合併によって誕生し、初期段階から約42,000BTC(約44億ドル)という大規模なビットコイン準備金を持つことになります。これは、マイクロストラテジーなどの先行企業に匹敵するレベルであり、上場暗号資産企業としても非常に強い存在感を放つことになるでしょう。

また、設立メンバーにBitfinex、ソフトバンク、Cantor Fitzgeraldといった異なる分野の大手が揃っている点も重要です。これにより、技術・金融・資本のすべての側面からビットコインビジネスを支える体制が整備されており、単なる保有企業ではなく、次世代の「ビットコイン企業モデル」を体現する存在になる可能性があります。

さらに、テザーのこの動きは、ステーブルコイン運用で得た利益を“再びビットコインへ還流”させている構図でもあり、USDTを軸にした自律的かつ持続的なビットコイン循環経済の構築を意図しているとも捉えられます。

総じて、今回の件は、テザーが今後の金融構造の変革において「BTC×ステーブルコイン」の二軸で主導権を握ろうとしている非常に示唆的な動きであり、暗号資産市場全体にとっても大きな影響を与える可能性があると見ています。今後のTwenty Oneの上場進展と資産運用方針に注目が集まるでしょう。

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