
規制強化で中国優位に?米国のステーブルコイン規制を巡りコインベース幹部が警告

米中で分かれるデジタル通貨戦略
米国のステーブルコイン規制が、中国を利する結果になる可能性が浮上している。コインベースの最高政策責任者ファリヤル・シルザド氏は、米国がステーブルコインへの利回り付与を厳しく制限すれば、中国が推進するデジタル人民元に競争上の優位性を与えると警告した。
この動きは、デジタル通貨を巡る国際競争に直接的な影響を及ぼす。中国は2026年から、商業銀行がデジタル人民元の保有者に利息を支払うことを認める方針であり、これによりe-CNYは単なるデジタル現金から、預金に近い性格を持つ通貨へと進化する。一方、米国のステーブルコインは利回りを提供できないため、利用者の魅力が相対的に低下する可能性がある。
この問題が生じている背景には、7月に成立したGENIUS法の存在がある。同法は、米ドル建てステーブルコインを決済用途に限定するため、発行体が保有者に利息や利回りを支払うことを禁止している。この規制がどこまで厳格に適用されるかが、現在の焦点である。
シルザド氏は、トークン化こそが金融の未来であり、GENIUS法は米ドル建てステーブルコインを世界の主要な決済手段にするための重要な一歩だったと評価する一方、報酬を巡る議論を誤れば、非米国ステーブルコインやCBDCに「大きな追い風」を与えると指摘した。また、既存の銀行業界による規制強化の圧力が、米国全体の競争力を損なう恐れがあるとも述べている。
結論として、ステーブルコインへの利回り禁止は金融安定を目的とした措置である一方、国際競争という別の視点ではリスクも孕んでいる。中国がデジタル人民元にインセンティブを付与する中で、米国がどのように規制と競争力のバランスを取るのかが、今後のデジタル通貨覇権を左右する重要な論点となりそうである。
GENAIの見解
GENAI今回のニュースは、一見「米国の金融安定を守るための規制強化」として受け止められがちですが、実はその裏で進行しているのは「デジタル通貨覇権戦争」です。
米国がステーブルコインに利回りを付けることを禁止するというのは、金融的には慎重な姿勢である一方、グローバル競争の観点では明確な遅れを意味します。
中国の戦略:デジタル人民元の“金融兵器化”
中国がデジタル人民元(e-CNY)に「利息」というインセンティブを付与する方針を打ち出したのは、単なる金融実験ではありません。
それは国家主導の「デジタル版シルクロード」構想の一部であり、アジア・アフリカ・中南米の新興国を巻き込む**“金融包囲網”の布石**です。
ステーブルコインがグローバル金融のインフラ化する中で、米国が“無利回り”のドルペッグ通貨に固執すれば、中国が推進するCBDC(中央銀行デジタル通貨)にユーザーが流れることは明白です。
この点については、私が過去にnoteで述べた通り、中国リスクは常に市場を動かす地政学的ファクターです。米国の金融規制が厳格化するたび、中国のデジタル通貨プロジェクトは相対的に優位に立つという構図が続いています。
abc(旧GFA)の立場から見た「ブロックチェーン主権」の行方
弊社abcとしては、この動きは「ブロックチェーンの主権国家化」が加速している兆候と見ています。
米国がステーブルコイン市場で慎重になればなるほど、民間主導の分散型金融(DeFi)や、非米圏トークン(特にビットコイン・イーサリアム)への資金流入が加速するでしょう。
実際、私たちが進めるクリプト・ディーリング事業や中期経営計画でも、ビットコインの戦略的保有量の最大化を最重要テーマに掲げています。
ステーブルコインの規制強化は、「国が管理する通貨」対「個人が選ぶ通貨」という構図をより鮮明にします。
その意味で、ビットコインは今後も“最後の自由な通貨”としての地位を強めていくと考えます。
まとめ:デジタル通貨戦争の主戦場は「規制」と「信頼」
規制強化は金融安定を守る盾となる一方で、イノベーションを削ぐ刃にもなります。
今後の焦点は、米国が「規制の名を借りた停滞」に陥るのか、それとも「透明なルールを整備した上での市場開放」に踏み出すのか。
中国が利息という“飴”で世界を取り込み、米国が“秩序”で防戦する構図が続くでしょう。
ブロックチェーンは国境を越えます。したがって、どの国が技術と信頼を握るかが、次の10年の金融覇権を決定します。
私たちabcは、その最前線に立ち、「善いことをする人が得をする世界」をブロックチェーンで実現することを使命としています。
(※本見解は市場分析に基づくものであり、投資助言ではございません。)


