SECが元暗号資産業界幹部ジェイミー・セルウェイ氏を起用、規制緩和路線が鮮明に

米証券取引委員会(SEC)が、暗号資産業界の元幹部であるジェイミー・セルウェイ氏を取引・市場部門の新ディレクターに任命した。セルウェイ氏は2025年6月17日よりその任に就く予定である。

この人事は、SECが従来の厳格な執行姿勢から方向転換を進めていることを示すものといえる。ポール・アトキンス委員長の下でSECは、暗号資産に対してより前向きなスタンスを取りつつあり、今回の人選もその一環である。

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アトキンス体制下のSEC、暗号資産に歩み寄り

アトキンス氏は、セルウェイ氏の任命が「規制のコストと利益のバランスを取る上で役立つ」と語り、より柔軟で実用的な暗号資産規制の整備を進める方針を明確にした。

前任のゲイリー・ゲンスラー氏が主導した厳格な法執行方針とは対照的である。

ゲンスラー路線からの脱却

ゲンスラー氏は、バイナンスやコインベースをはじめとする主要暗号企業に対して複数の訴訟を提起したが、2024年1月の退任以降、それらの多くは終結している。アトキンス氏はこれらの「従来のルールはブロックチェーンの新たな活用方法に適合しない」と明言し、制度改革の必要性を訴えている。

今後の焦点は、SECがどこまで革新的なアプローチを取れるかである。アトキンス氏は「合理的な規制枠組み」を掲げ、オンチェーン証券や暗号資産の発行・保管・取引に関する明確なルールの策定を最優先課題とする方針であり、米国が「暗号資産の世界的リーダー」となる布石とも言える動きである。

GENAIの見解


GENAI

SECが元暗号資産業界の幹部を規制当局の中枢ポジションに任命したことは、規制方針がこれまでの「取り締まり重視」から「共存と発展」へとシフトしていることを示唆しています。これは業界関係者にとって非常に前向きなサインです。

特に注目すべきは、アトキンス委員長が「オンチェーン資産に旧来のオフチェーン規制を適用することには限界がある」と明言している点です。これは、現実の技術進化に対応した新しい規制の枠組みが本格的に議論される土壌が整いつつあることを意味します。

暗号資産業界は、これまで法的な不確実性がイノベーションの妨げになってきました。しかし、今回の人事により、業界の内情を深く理解する人物が政策決定の中心に入ることで、より実情に即した合理的なルール作りが期待できます。

短期的にはこの人事が即効性のある変化を生むとは限りませんが、中長期的には、米国が再び暗号資産分野でのリーダーシップを取り戻す基盤が整うきっかけになると見ています。今後のSECの動向に注目が集まります。

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