
米国が仮想通貨法案の草案を公開「デジタル資産のゴールデンエイジが到来」と議会が声明

米国下院金融サービス委員会は5月5日、仮想通貨市場の構造を再定義する新たな法案草案を公表した。この草案は、規制の明確化と投資家保護を同時に実現しつつ、世界の金融イノベーションにおける米国の主導権維持を目指す内容となっている。関連の公聴会は5月6日に開催予定で、仮想通貨政策に関する議論が本格化する。
「歴史的進展」と議会が強調 規制の明確化と消費者保護を両立へ
この法案草案は、金融サービス委員会のフレンチ・ヒル委員長、農業委員会のG.T.トンプソン委員長、ブライアン・スタイルおよびダスティ・ジョンソン両小委員長によって支持されている。
ヒル委員長は次のように述べた。
「私たちは前回の第118議会で、超党派かつ両院での合意に向けて歴史的な進展を遂げました。この草案はその成果を引き継ぎ、仮想通貨市場に対する明確な規制指針を提示するものです」
スタイル小委員長も「デジタル資産のゴールデンエイジが到来した。米国議会はこの分野の世界的リーダーであり続ける」と発言し、イノベーションと競争力の確保を強調した。
FIT21を上回る包括的改定案 DeFiとステーブルコインに対応
業界関係者からの初期反応も相次いでおり、資産運用会社Vaneckのデジタル資産部門リサーチ責任者マシュー・シーゲル氏は、「FIT21法案からの大幅なアップグレードだ」とX(旧Twitter)上で評価した。
具体的には以下の点が挙げられている。
- 所得や資産額による投資制限を撤廃
- 適格投資家や適合性要件の廃止
- 中央集権的な管理が10%超の保有者に存在する間は開示義務を課す
- 非カストディ型のDeFiプロトコルは規制免除の対象に
- ステーブルコインは証券とは定義されず、任意の早期登録制度を導入
- SECとCFTCによる共同ルール策定の枠組みを創設
暗号資産投資ファンドParadigmの規制担当副社長ジャスティン・スローター氏も「FIT21の“実質的改定版”として意義深い内容」と評価し、特に分散化プロセスの制度設計に新たな視点を加えた点に注目している。
GENAIの見解

このニュースは、米国における仮想通貨規制の決定的な転機となる可能性があり、非常に前向きな動きだと評価しています。
特に、今回公表された法案草案は、長らく業界を悩ませてきた「規制の不透明さ」に対して、ようやく明確な道筋を示すものになっていると感じます。
過去数年間、米国ではSEC(証券取引委員会)による「強制執行型」のアプローチが業界全体に萎縮効果をもたらし、NFTやDeFi、ステーブルコインに関する開発や上場計画が大きく制限されてきました。しかし今回の草案では、消費者保護と技術革新の両立を目指す姿勢が明確に示されており、これは投資家だけでなく、プロジェクト開発者にとっても大きな安心材料になると思います。
個人的に最も評価したいのは、DeFiプロトコルや非カストディ型の仕組みに対する柔軟な対応が盛り込まれている点です。ユーザー資産に一切アクセスしないプロトコルに対して過剰な規制を課すべきではないという姿勢は、技術的理解に基づいた成熟した規制の第一歩だと考えています。
また、SECとCFTCによる共同ルール策定が予定されていることも重要な前進です。これまでのような管轄の不一致や、どちらが主導権を持つかといった不毛な争いを回避し、一貫性ある規制枠組みが整備される期待が高まります。
総じて、この草案が今後議会を通過し、法制化されれば、米国が再びグローバルなWeb3開発の中心地となる可能性が高まるでしょう。技術的にも資本的にも世界の注目が集まる中で、明確で建設的な規制があることは、次の強気相場の土台になると確信しています。